「あの人にしか判断できない」を、会社の資産に ── 「情報資産化プロジェクト」のご提案
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「あの人にしか判断できない」。そう呼ばれる仕事が、どの会社にも必ずあります。客先での見積り、段取りの差配、設備のクセを踏まえた最後の判断。その多くは、特定の誰かの頭の中だけにあります。
本稿の主張は単純です。属人化した判断は、放置すべきコストではなく、会社の資産である。だから、残す。感傷ではなく、設計の問題として、残し方を組み立てる。それが今回の「情報資産化プロジェクト」のご提案の主旨です。
なぜ、いま「構造化」なのか
理由は、現場の数字が示すとおりです。人が採れない。地元の工業高校には大手から声がかかり、給料も待遇も敵わない。十年後、いまのベテランがやっている仕事を、誰がやるのか。多能工化も後継者育成も、思うようには進まない。
そこで「自社専用のAIに任せたい」という相談が増えています。気持ちはよく分かります。ただ、順番があります。AIに任せる前に、そもそも人に渡せる形になっているか。社長やベテランの頭の中だけに段取りがある会社では、AIに渡すものが、そもそも存在しません。
人に渡すために整えたものは、その気になれば、機械にも渡せます。順番は、いつも人が先です。この点は、以前のコラム(暗黙知はどうやって遺すのか)でも書いたとおりです。
少人数で始める「情報資産化プロジェクト」
AIを使いたいと、セミナーや勉強会に足を運ばれた方も多いと思います。けれど、そこで教わるのは、スライド資料のきれいな作り方や、プロンプトの上手な書き方ばかり。「それで、うちの現場の仕事には、いったいどう使えばいいのか」。そんな物足りなさを抱えて帰ってこられた方も、少なくないのではないでしょうか。
私たちが大切にしているのは、その「うちの仕事」の側に立つことです。私自身、旋盤を挽き、生産計画を作り、夜遅くまで試作の段取りに頭を悩ませてきました。だからこそ、現場のどこに手間が溜まり、どの判断が特定の一人に偏りがちなのか、おおよその見当がつきます。一般論ではなく、貴社の仕事の手触りに合わせて、一緒に考える。それが「参謀として伴走する」ということの中身です。
提案はシンプルです。各部門から精鋭を数名集め、少人数の「情報資産化プロジェクト」を立ち上げる。製造業の現場経験を持ち、浜松商工会議所の「DX経営塾・データドリブン経営」を担当する日商認定講師が、AIの使い方も含めて並走します。
入口として、2つのプログラムをご用意しています。
プログラム1:ベテランの頭の中 構造化セッション
AIと一緒に、ベテランの頭の中を「再利用できるデータ」に整えるためのコツをつかむセッションです。複数のデジタルツールを組み合わせ、自律的に動くAIエージェントを使いながら進めます。
- 所要:2時間
- 費用:3万円
- 定員:1社2名推奨・3名まで参加可
プログラム2:社長の判断基準 整理整頓プログラム
社長の意思決定の基準を、AIエージェントと一緒に、幹部社員さんの前で構造化していくプログラムです。判断は未来の資産です。考え方の傾向を「コンテキスト」として蓄積していくと、AIが社長の意図を持ったかのように判断を受け継いでくれます。
- 所要:3時間
- 費用:5万円
- 定員:1社2名推奨・3名まで参加可
何を「資産」として残すのか
残す対象は、特別なものではありません。日々の仕事のなかに、すでにあるものです。業種によって、その形が少し違うだけです。
製造業のみなさま
- 現場メモ
- Excelの表
- 現場の声
- 機械の設定とクセ
- 計測データ
- 設備マニュアル
商社・小売業のみなさま
- メール・ネット情報
- 名刺
- 各種資料
- 営業日報
- 脚と眼と耳で集めた情報
- 会話のコツ、メモの取り方、訪問頻度
これらを束ね、「再利用できるデータ」として整える。狙いは、ベテランの頭にある顧客理解と意思決定の基準を、仕組みの側へ移していくことにあります。
想定するユースケース
整えたデータは、こんな場面で効いてきます。
製造業の例
- 「新製品が立ち上がるが、Aラインは現状の生産でいっぱいだ」── 生産スケジュールを俯瞰し、適切な割り当てをAIが提案。最終判断は人が下します。
- 「Fラインの多能工化が進まない。年齢を考えると後継者を作りたい」── あの人にしかできない加工を聞き取り、勘やコツをデータ化。OJTマニュアルと教育計画をAIが立案します。
商社・小売業の例
- 「新人の客先でのヒアリングを、ベテラン並みに整えたい」── 過去の類似案件から困りごとを一緒に考察し、資料を整える。新人をAIがサポートします。
- 「ベテランが長年担当してきた顧客を引き継ぎたい」── 商談履歴やメールを整理して顧客カルテを自動生成。誰がどう引き継ぐかまで、計画をAIが立てます。
技術情報(使用ツールと進め方)
具体的には、次のような環境で進めます。
- 使うツール:Cursor(推奨)、Claude Code、Codex のいずれか。いずれも、月額数千円ほどの有料版を使用します。
- 関係者との共有:伴走者や、複数のプロジェクト推進メンバー間での共有には、Git・GitHub(インターネット上の共有サービス)を使います。
- 情報漏洩・セキュリティ対策:ネットにアップロードしない「自社専用フォルダ」を設け、社外に出したくない情報はそこで扱います。
二年後の「OS化」へ
目指す先は、ベテランの判断や意思決定が、特定の個人に依存せず、組織と仕組みの側で回り続ける状態です。今から準備しておけば、二年後には、整えたデータの上をAIエージェントが自律的に動く「工場のOS」「情報共有のOS」が見えてきます。
最後に、最初の主張をもう一度だけ繰り返します。頭の中は、必ず残します。あの人がいなくなる前に、勘も、コツも、判断の基準も、まるごと資産として遺す。それが、当社の考えるDXの出発点です。
具体的な進め方や費用の詳細は、下記のチラシ(PDF)にまとめています。ご関心があれば、ページ末尾のフォームからお気軽にご相談ください。
ご案内チラシ(PDF)
「製造業のみなさま向け」と「商社・小売業のみなさま向け」の2種類があります。下のボタンから、それぞれのPDF原本を開く・ダウンロードできます。
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単なるシステムの導入ではなく、貴社の文化や文脈に寄り添う「伴走型DX支援」を行っています。 まずは雑談のような気軽な気持ちで、お持ちの課題やこれからの展望を一緒に話す(ディスカッションする)ところから始めませんか?